Works
mucha-kucha

20211101

mucha-kucha

Overview

「茶の湯」の本質は、世俗の虚構(フィクション)を捨て、その場で生成される新しいフィクションを亭主と客で楽しむゲーム性にある。「にじり口」は、その精神世界に入り込むためのものだ。主従関係が強くあった戦国時代に、身分の違いに関わらず頭を下げさせ、身分を超えて対等に向き合うための装置として生み出された。
本作品は「虚構のメカニズム」を探求するために、逆説的に「にじり口」的な虚構を無効化する技術を抽出し表現していく。人間にはハロー効果(別名Halo Error)に代表される認知バイアスが埋め込まれている。思い込みが権威構造の強化に加担してきたことは間違いない。DeepfakeなどAIを使い誰しもが自由に精度の高い虚を瞬時に操れる現代には、「にじり口」的な技術が必須となる。しかし長い生存競争で獲得したこのエラーは決して悪いことばかりではない。当然、自分を助けることもある愛すべき存在なのだ。

Credit

– Concept, system design and development: Ryuta Aoki
– Technical support: Takeshi Doi

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Artist

Art collective The TEA-ROOM

茶の湯のありうる姿を探求するアート集団。

茶の湯を庭、建築、絵、書、香、華、音、器、食、衣、礼で構成される日本の総合芸術として捉え、そのコンセプトをテクノロジーやストリートカルチャーなどを通じて現代的に翻訳。新たな空間の設計や体験をプロデュースすることやアート作品の制作を行う。
2015年に発足、コンセプトデザイナー・社会彫刻家の青木竜太がディレクターを担う。

https://thetearoom.jp/

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