Overview
無人島・猿島で行われた、暗闇を感じる夜間限定のアートプロジェクト「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」での作品。
700年ほど前に亀山天皇によって一帯が拓かれ春日神社が造営されてから、猿島は御神体として崇められてきた。 しかし明治初期に本土防衛の観点から軍事要塞とされ本殿が失われてしまい、今ではそんな歴史の記憶も失われつつある。 そんな横須賀基地や戦艦三笠が見え、戦争を通じた横須賀の現在から過去を一望することができる島の頂上に、古式神道に見られる神が宿るとされる岩石群「磐座」を人工的に作ることで御神体としての象徴的な場を作る事を作品とした。 あたかもそこに島の御神体が昔から存在していたかのように地域が持つ失われつつある文化を取り込んだ作品としている。磐座は猿島の土や砂と蓄光素材を合わせたもので出来ており、日中紫外線を溜め込み夜に光が見える。ぼわっとした柔らかな発光によって生命感や神の宿りを感じさせる。
Artist
建築家 / 美術家佐野 文彦
1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店にて数寄屋大工として弟子入り。年季明け後、設計事務所などを経て、2011年独立。
現場を経験したことから得た、工法や素材、寸法感覚などを活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ作品を製作している。